唯一無二の味わい
アッサムと双璧をなす、あるいはアッサム以上に有名なインド紅茶が、
ダージリンです。ヒマラヤの麓にある山間(やまあい)の茶園で、その特殊な
気候ゆえに唯一無二の味わいの紅茶がつくられます。
日中と朝夕の気温差が大きく、まるで日課のように毎日4〜5回も発生する霧は、
直射日光をさえぎり、お茶の葉を湿らせる。まもなく山からの冷たい風で霧は
晴れ、昼間の光が湿った茶葉を一気に乾かす。
この繰り返しが紅茶のシャンパンと呼ばれるほどの、マスカットを思わせる
フルーティな香りと、極上の爽快さを感じさせる引き締まった渋み、そして深い
コクのある味わいを生むらしい。
ちょっと突飛な例えに聞こえるかも知れないけど、この話を本で読んだときに
浮かんできたイメージがあります。それは遠浅の有明海に支柱を差し、そこへ
たっぷりと海苔が付いた網が、干潮で海上に現れ、直射日光を浴びている様子です。
潮が満ちて満潮が近づくと次第に水位が上がり、それにともない、網は海中へ潜り
ます。この繰り返しが有明のりの、甘く・やわらかく・歯切れよいおいしさの秘密
なのですが、こうしたことは遠浅だから支柱による仕掛けができ、干満の差が
大きいから可能と
なる。
有明のりのおいしさは、有明海の自然条件を有効に生かしたのりの作り方なの
です。それはダージリンといっしょだなあ、と思ってしまいました。
ところで、マスカットフレーバーをおもわせる魅力的な香りのダージリンは
、実は紅茶向きと言われるアッサム種ではなく、われわれがふだん飲んでいる
緑茶と同じ、中国種の木なのです。
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