世界中でTeaといったら紅茶のこと。 お茶の80%がそうだから。 それなのに、日本で紅茶があまり普及していないのはなぜか?
それは、紅茶の広め方にも大きな問題がありました。 何かしらおシャレで舶来の高級なイメージで展開したから。 でもそれだけではない。もっと大きな理由があります。
それは、日本の水のおいしさでしょう。モンスーン気候と山がちの地形。 国土の80%が山。それもなだらかでないところのほうが多い。 そこへ、たくさん雨が降る。急流の川はおいしい水となって下ってきます。 日本茶(主に緑茶)は、水のおいしさを素直に反映します。 紅茶や珈琲などよりはるかに。うまい水に恵まれた日本だからこそ 緑茶が普及したのでしょう。
緑茶は摘んできた茶葉を蒸して(釜炒りにして)、発酵を止めます。 完全に発酵した紅茶、途中で発酵を止めた烏龍茶とくらべて、 それだけ、成分が自然に近い。自然の恵みをそれだけ多くとどめている。
と考えてよいと思います。さまざまな効能がいわれるのは そうした自然の豊富な魅力を損なわずに吸収しているからでしょう。 健康を考えたら、なんといっても緑茶がおすすめです。
それと繊細な味わいです。蒸して発酵を止めたのがほとんどの日本の緑茶 ですが、それは一番味を重視した、味が生きるような製法です。 そのかわり、香りがおとなしくなってしまっています。
それと比べて香りを主体に作られているのが、烏龍茶(正確には青茶)。 紅茶などです。乱暴に言うと緑茶は味。烏龍茶や紅茶は香りと考えてよいと思います。
そういうおおまかなことを前提に日本茶の味の魅力、烏龍茶や紅茶の香りの魅力を お楽しみ下さい。